ぴろブロ

普段考えることをぶちまけています。意味はありません。

タイに行った話


もう2ヶ月も前になるが、バンコクへ行った。

僕は正直、旅行好きの人が言う「価値観が変わる」という意味がよくわからない。
違う土地に住んでれば習慣とか物の考え方が違うのは当然だし、自分と価値観が違う人たちに会ったとしても、それはそっちの文化での話であって日本人である僕が変わる筋合いはないと思う。

だからみんな素直に「わけわかんないやつがいっぱいいてムカついた」とか「飯がうまかった」とか言えばいいのに。と常々思っている。
とはいえ自分が海外に行ったのはシンガポールくらいで、二人で計画をしっかり立てて見世物として作られた人工物ばかりをみる旅はなんとなく味気なかった。ナイトサファリはよかったけども。

そんなわけで僕は一人でタイに行く。目的は特にない。
まぁ、どんな奴がいてどんな場所なのかな、というのがわかればいいかな、という感じで飛行機に乗る。

早朝、タイ航空の機体を降り、JTBの集合場所で点呼をとったあと、煙草を吸うために外に出た(といってもほぼ駐車場だが)。
シンガポールとはまた違った、東南アジアの国独特の植物が腐ったような臭いに包まれると、なんとなく別の国に来たんだなという気持ちになる。
乗り合わせたツアー客の老人たちと他愛もない会話をしてる間にホテルに到着し、一旦荷物を預けて外に出た。


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こんな道がずっと続きます


最寄駅まで3kmも歩くらしく、腹も減ったのでそこらの屋台で食事をしようとしたら、土曜の朝だからか、かなり賑わっている。
どうやらこの辺は団地とかアパートがたくさんあるようだ。学校も近くにたくさんあるそうで、中学生くらいのこどもが元気に登校している。
頼みやすそうな小分けになったご飯物を買って、そこらのベンチに座って食べたが、なんというか、犬が多い。ホームレスらしき男も道端で寝ている。旅行中に何度もこの通りを歩いたが、彼らは何をするわけでもなくぼーっとしたり、寝ていたり、いつの間にか人が入れ替わっていたりで、なんだかよくわからないけど、まぁ、自由ってことでいいか。

なんてことを考えながらぶらぶらしてると、どうやら電車より水上バスの方が安く中心部に行けるらしく、乗ることにした。
チャオプラヤ川は思ったより小さくて、荒川くらいのサイズ感だったが、とにかく汚かった。水しぶきが口にかかったときは、初日から下痢が止まらなくなるんじゃないかという恐怖で本気で顔が引きつった。



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水しぶきがすごい


結局下痢になった。腹痛がなかったのが不幸中の幸いだ

とりあえずタイと言えば寺、という先入観があったので寺に行く。というのがなんとなく気に入らなかったので国立博物館に行った。
完全に勉強不足だったので、頭の欠けた仏やでかい車輪、コンセントのついている祭壇を見て適当に盛り上がることくらいしかやることがなかった。
敷地内の外国人とあんまり話したことのなさそうなおばさんのやってるお店でタイらしい真っ赤なミルクティーを頼み、急ごしらえのタイ語でうまいっすと伝えて休憩する。

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赤さが伝わらない



暇なので、とりあえずなんだか有名らしいカオサンロードというところに行ってから、動物園に行った。
カオサンロードは昔バックパッカーの聖地と呼ばれた場所と聞いていた。けど実際に行ってみるともはやただの観光地になっていて、しょうもないマッサージ屋に寝転ぶ白人と明らかに偽物を売るどうしようもない屋台が並んでいて、別の意味で混沌としていた。
夜は夜で路上で爆音のEDMを流し、金切り声をあげている奴らばかりだったので、こんなもんかという感じでとてもがっかりしたのを覚えている。


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パッタイは別だ。初めてカオサンで食べたのが最高すぎて帰国してからもよく食べる。



動物園はふつうに楽しかった。
強そうな爬虫類が放し飼いにされていてびっくりしたり、アカシアドゥクラングールがとにかく大量にいたり、フタコブラクダが二頭も柵の中にいたりで、適当な作りではあったけどいる奴らには気合いが入っていた。白変種のスッポンとかもいた。
パチモンばかりのお土産屋と40年前くらいの百貨店の屋上にあったようなのしかないゲームセンターに目をつぶれば楽しめると思う。



観光に行く人は一度は乗るはず。
あのなんとも言えない三輪車のフォルムはちょっと冒険心をくすぐられる。
僕もちょっと夢を感じていたので乗らせてもらおうと、動物園の近くに溜まっていた運転手に話しかけた。


カオサンまで。いくら?

ー200バーツだ

高いな。タクシーでもだいたい50バーツとかだぞ。

ーなんだ、何を見るんだ?仏像か?涅槃仏もいいけど俺はかなりいい仏像を知っているんだ。そこに連れて行こう。

いや、カオサンでいい。

ーそうか。仏像はいいのか。じゃあ宝石屋はどうだ?安いぞ。ブラザー。何も問題ない。さあ。

いや、だからカオサンでいいって。

ーいやいや。そこは俺の知り合いがいてすごく良いところなんだよ。とりあえず見に行こう。何も問題ないから。おお、そういえば君は日本人か?

いや、韓国人です。さようなら。


とまあこんな感じで彼らは商魂たくましく、ついて行ったが最後、高額商品を買うまで帰されないので僕は何度も国籍を偽った。韓国人の皆様すみません。顔はだいたい韓国人なのでよろしくお願いします。
結局流しのトゥクトゥクを拾って100バーツでカオサンまで戻ったが、風がすごくて目がやられるわ、見た目の割にスリルはないわで微妙でした。
最終日に乗ったバイクタクシーはスリルしかなかったので一人旅の人はそれに乗ると良いと思います。


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思ったよりスリルがない




そのまま歩いて寺に行き、涅槃仏を見たり、スコールに襲われたりして疲れたのでホテルに戻った。
仕切り直しをして夜の街へ繰り出す。カオサンのクラブはいろんな人が集まるらしい。
昼とはまた違った顔を見せるカオサンだったが、さっきも言ったようにとにかく若者がはしゃいでいるだけだったので特にすることもなく、声をかけてくるニューハーフをやり過ごしているうちに夜も更け、3時頃に取り締まりの警察官が来たのを機に宿へ帰った。
カオサンとはなんだったのだろうか。初日のくせにいろいろと周りすぎてとにかく疲れた。明日はもう少しゆったりと旅をしようか。そう考えているうちにいつの間にか意識は遠のいていった。ぼんやりとした1日がぼんやりとしたまま終わる。


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続かない